来年小学校入学予定の息子を連れて面談に行ってきました。
注)タイの日本人学校でのお話です。
私達家族は国際結婚家庭のため、学校生活を送る上で大切な、息子の日本語理解度や主に学校側とやり取りをすることになる母親の日本語習熟状況、
そして家庭環境について事前に面談で確認がなされます。
身体精神の発達状況(障害の有無)な意味もありますが、ここはタイですので、特別な支援(日本語能力の不足を補う支援も含む)が十分にできないという点も踏まえた上、学校側の考え、サポート体制の説明を受けました。
当地にも私達のような国際結婚家庭は多く、将来的に日本に帰国する予定であったり、帰国予定はないが、諸々の理由で子供に日本語の習得をさせたいという家族の思いがそれぞれあります。
しかしながら現実はなかなか厳しく、1、2年時位であれば、ごまかしながらなんとかなっても、特に小学校3年生頃になってくると、学習言語も難易度が上がってきますので、日本語のベースが脆弱で、少々会話ができるくらいだと、学習についていけなくなるケースが多々あるとのこと。
更には思考言語がしっかりと固まることなく、タイ語、日本語、その他がごちゃごちゃになってしまい、本人自体が混乱を起こし、最悪だと、タイ語も日本語も中途半端、どっちつかずの状況に陥ってしまう危険性もあります。
そしてそうなってからのやり直しはかなり難しいと言うことも、先生方の経験から率直に伝えられました。
肝は、子供が日常生活でどれだけ日本語、日本文化に触れられる環境にあるかということ。
つまりは家庭環境、もっと言えば、私(日本人父親)が、どれだけ関わることができるのか?ということになります。
実際、働くご主人にとってみるとかなりの負担になることは自明のことです。
加えて、夫婦間のコミュニケーションの深度もポイントです。
当たり前ですが、学校からの配布物は日本語ベースです。
常用漢字が使われていますから、少なくとも日本語能力検定N3以上ないと理解は困難です。
仮に奥様(タイ人)が日本語ができても日常会話レベルでは歯が立たず、ここでも父親がすべての書類に目を通し、それを適切に奥様に伝えなければならないという課題があります。
ご主人のタイ語力そして夫婦間の関係性が非常に大切ということになります。
その点も面談でチェックされていたように思います。
正直なところ、私達家族にとってこれらはすでに分かっていた事、先輩方から学んでいた事ですので、驚くこともありませんでしたが、改めてこれらの話を聞くと、学校側の苦労も想像に難くないです。
(残念なケースが多く起こっているからこそ、取り返しのない状況にならないよう、このように最初の段階からしっかりと説明されているのだと思います。)
家族の苦労?それはここでは問題ではなく当たり前のことだと私達家族は考えています。
逆に、息子の立場になってみると、一般の日本人の子供の二倍以上の負荷をかけるという風にも取れるわけで、むしろそちらのケアが必要だと思いました。
言葉が思うように出てこない。
同級生に比べて文字を読んだり、書いたりするのが遅い、イライラして落ち着かなかったり、低学年だったら、手が出てしまうこともあるでしょう。
そんなことが起こったときに、私達親が、
「みんなできているからもっと勉強しなきゃ!」
「どうして友達を叩いたの、だめでしょう!」
「みんなじっと座っているんだから、あなたもみんなのようにちゃんとしなきゃ!」
と頭ごなしに、感情的に叱ってしまったら、息子はどう感じるだろうか?
私の都合で勝手に国際結婚して、タイの環境に住みながら、日本人学校に通わせているわけです。
「お父さん、お母さんが勝手に学校選んだんでしょう!」
「タイの学校に行っていたらよかったのに、、、。」
私が息子ならそう思うことでしょう。
だからこそ、学校に依存することなく、
「私達が何が何でも子供を守る、責任を持って育てること。」
その念いを新たにしました。
息子が幸せになるために、私達は彼に日本人とタイ人としての自己をしっかりと持ってもらいたいと思った。
そのための努力、サポートは何があっても全力でやること。
違いは富、価値。
私達がもってない様々な価値の原石を持っている息子の幸せを祈りながら、親としてできる最大限のことをやっていこう、そう念いを新たにするきっかけとなりました。
コメント